小説
ふたりきり
2023/12/17、アルシオオンリー ペーパーラリーにて配っていた名刺SSです。
イベント時お手に取っていただきありがとうございました!
「今までは逆だったのにな」
そう呟いたのを聞いて、ふと一年前のことを思い出した。眠れない夜に抜け出していたのは私の方で、真っ黒な空の下にひとりきり。そのはずだったのに、決まってあなたが来てくれた。
あなたにとってはなんでもない行動だったのかもしれないけど、それにどんなに心が揺れ動いたのか、きっと知らないでしょう?
「そうね。――ねぇアルフェン」
あなたが私に触れ続けてくれたように、私もあなたの力になりたい。だからどうか、あの傍で寄り添う薔薇のように近くにいさせてほしい。
「――大好きよ」